解説
1987年に刊行され、それまでの国内小説の発行部数を塗り替えるベストセラーとなった村上春樹の「ノルウェイの森」。主人公ワタナベの喪失と再生を描いた究極の恋愛物語に人々が動かされ、時代が動かされた。画期的な赤と緑の装丁も話題となり、当時はその本を持つこと自体がステイタスにもなった。そんな20世紀を代表する恋愛小説は、現在も読み継がれており、さらには世界をも魅了し36言語に翻訳されている。そんな「
ノルウェイの森」が、出版から20年以上の時を経て、遂に奇跡の映画化を果たす。監督は『
青いパパイヤの香り』『
夏至』などの作品で、叙情性溢れる映像美で人間の機微を静かに、でも温かく描くことに定評のあるトラン・アン・ユン。主人公のワタナベには、作品ごとに全く異なった表情を見せる若手演技派No.1の松山ケンイチ。直子を『
バベル』で第79回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた国際派女優・菊地凛子が演じる。(作品資料より)
ストーリー
37歳になったワタナベは、ドイツ行きの機内で「ノルウェイの森」を耳にし、18年前に自分が恋に落ちた直子のことを思い出す。直子はワタナベの高校時代の親友・キズキの恋人だった。ワタナベにとってキズキは唯一の友であり、必然的にワタナベと直子も一緒によく遊んでいた。ところが、ある日突然キズキは誰にも何も言わずに自殺をしてしまう。親友を喪ったワタナベは、誰も知っている人間がいないところで新しい生活を始めるために東京の大学に行く。そして、あるとき中央線で直子と偶然再会する。それからワタナベと直子はお互いに大切なものを喪った者同士付き合いを深めていく。ところが、付き合いを深めれば深めるほど直子の方の喪失感はより深く大きなものになっていった。そして、20歳になった直子は結局京都の病院に入院することになる。そんな折にワタナベは大学で、春を迎えて世界に飛び出したばかりの小動物のように瑞々しい女の子・緑と出会う…。
2010年12月11日より 全国東宝系にて公開
配給 : 東宝
ジャンル : 邦画/ドラマ
製作年 : 2010年
製作国 : 日本
公式サイト