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ザ・ウォーカー

解説
サブウェイ123 激突」のデンゼル・ワシントンと「ダークナイト」のゲイリー・オールドマン共演のサスペンスアクション。文明崩壊後、世界に唯一残された本を運ぶ男と、それを狙う盗賊との戦いを描く。デンゼル・ワシントンのブレード・アクションも見どころ。監督は「フロム・ヘル」のアルバート&アレン・ヒューズ兄弟

ストーリー
戦争によって文明が崩壊したアメリカ大陸。“ウォーカー”(デンゼル・ワシントン)と呼ばれる男が、広大な大地を一人歩き続けていた。バックパックには護身用の短刀とショットガン、そして世界に一冊だけ残されたある“本”を携えて。皮の表紙で覆われ、鍵のかかった分厚いその本に触れようとするものは、すべてウォーカーの手にかかって命を落としていく。だが彼自身、その本を誰に、何のために届けるのか、一切の理由も目的も知らずに30年間、ただひたすら西へ向かって歩いていた。やがて、汚染されていない水脈を独占するカーネギー(ゲイリー・オールドマン)が独裁者として君臨する街を訪れるウ... 戦争によって文明が崩壊したアメリカ大陸。“ウォーカー”(デンゼル・ワシントン)と呼ばれる男が、広大な大地を一人歩き続けていた。バックパックには護身用の短刀とショットガン、そして世界に一冊だけ残されたある“本”を携えて。皮の表紙で覆われ、鍵のかかった分厚いその本に触れようとするものは、すべてウォーカーの手にかかって命を落としていく。だが彼自身、その本を誰に、何のために届けるのか、一切の理由も目的も知らずに30年間、ただひたすら西へ向かって歩いていた。やがて、汚染されていない水脈を独占するカーネギー(ゲイリー・オールドマン)が独裁者として君臨する街を訪れるウォーカー。カーネギーもまた、ある本を必死に探していた。その本に記された言葉だけが、真に人々の心を支配できるというのだ。ウォーカーが部下たちを一瞬にして倒したことを知ると、その腕前に興味を抱き、宿の提供を申し出るカーネギー。案内された屋敷にはカーネギーの盲目の情婦クローディア(ジェニファー・ビールス)とその娘ソラーラ(ミラ・クニス)が暮らしていた。ソラーラはウォーカーが本を持っていることに気付き、カーネギーに伝える。それこそ自分が捜し求める本に違いないと考えたカーネギーは、部下とともに立ち去ろうとしていたウォーカーを包囲。本を巡って両者の間で開始される銃撃戦。だが、ウォーカーは銃弾をかいくぐり、次々と敵を倒していく。なす術もなくカーネギーは負傷、ウォーカーも取り逃がしてしまう。歩き出したウォーカーの後を追うソラーラ。だが、2人は立ち寄った家で、追跡してきたカーネギー一味の襲撃を受ける。やむなく本を差し出すウォーカー。だが、その体を銃弾が貫く。本を奪われ、朦朧とする意識のまま最後の力を振り絞って歩き出すウォーカー。果たして彼は何のために歩き続けるのか……?カーネギーの手に渡った本はどうなるのか...続きを読む
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世界を揺るがす1冊の“本”

荒涼とした森の風景からこの物語は始まる。次に待っているのは荒廃した地球の風景。絶望感漂うオープニングから最後までそこから逃れない映画。セピア色と言ってもいいような色合いの映像で、それが荒廃した街の風景と織り交ざり絶望感を増幅させる。

 主演はデンゼル・ワシントン(『デジャヴ』『アメリカン・ギャングスター』『サブウェイ123 激突』)。ガンアクションや格闘アクションも含め、いつも通りの重鎮たる演技を披露。対する悪役にゲイリー・オールドマン(『レオン』『ダークナイト』)。『レオン』で見せたキレた演技が今作で復活。醸し出された狂気の沙汰は彼だからこそできた所業だろう。2人の年季の入った芝居にまず魅了される。渋みがかかった表情に重々しい芝居の経験が刻み込まれ、その演技力に感嘆。出演者にミュージシャンのトム・ウェイツ(『ダウン・バイ・ロー』『コーヒー&シガレッツ』)も名を連ね、映画を盛り上げている。

 ストーリーは滅んだ地球で希望を探し、生き抜こうとする人間の物語。そこに争いが生まれ、映画としてアクションとして昇華され、煌びやかで激しい映像となって返ってくる。製作に『マトリックス』を手掛けたジョエル・シルバーが加わっていているが、『マトリックス』とは異なっていて、アクションは激しいものに仕上がっている。衣装はブーツにサングラスとスタイリッシュ且つファッショナブル。特にティアドロップのサングラスには陶酔させられる。正直言ってかっこいい。舌を巻くのは縦横無尽に動き回るカメラワーク。弾丸で穴のあいた窓に入っていくようなカメラワークがあり、それがアクションと重なりかっこいいと思ったと同時に驚かされた。この映像は一見の価値ありだろう。

 欲をかき過ぎている人間たちへ警鐘を鳴らす内容で、聖書の聖なる言葉に彩られたこの映画は、軽いアクション映画として一見見流すことができる映画だけれど、重いメッセージが込められた意義深い映画だと思う。
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