広島のある 日本のある この世界を 愛するすべての人へ― 広島原爆投下から10年後と現代に生きる2人の女性を通して、現在までに至る原爆の影響を描いた、こうの史代原作『夕凪の街 桜の国』。韓国、フランス、アメリカ、オーストラリアなど十カ国で出版され、海外でも注目を集める感動の物語が遂に実写映画化。
「夕凪の街」 昭和33年、復興が進む広島で、平野皆実(麻生久美子)は母親・フジミ(藤村志保)と貧しくも平穏に暮らしている。弟・旭(伊崎充則)は戦時中に水戸へと疎開し、そのままおば夫婦の養子になっていた。ある日、皆実は会社の同僚・打越(吉沢悠)から愛の告白を受ける。しかし、原爆で自分が生き残った罪悪感を感じる皆実は幸せに飛び込んでいけない。そんな皆実の思いを打越は優しく包み込む。 「桜の国」 平成19年、夏の東京。定年退職した旭(堺正章)と一緒に暮らす娘の七波(田中麗奈)は、父親の最近の行動を心配していた。今夜も一人、家族に内緒で出かけていく旭のあとをつけてみると、広島へと行き着く。七波は広島で旭が立ち寄る先や会う人々を遠目に見ていくうちに、亡くなった祖母・フジミや伯母・皆実へ思いをめぐらせる。七波は家族や自分のルーツを見つめ、広島でかけがえのない瞬間をすごしていく。
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