ジョアンナ
監督:マイケル・サーン
出演:ジュネヴィエーヴ・ウェイト/クリスチャン・ドーマー/カルヴィン・ロックハート/
ドナルド・サザーランド/Glenna Forster Jones
内容:本当の恋を見つけるためにロンドンへとやって来た19歳の娘
ジョアンナ。王立美術学校に通うようになった彼女の、様々な恋の遍歴を描いた、キャッチーでポップな青春映画の快作。ボーイフレンドの家を泊まり歩き、絵の先生を誘惑、そして余命いくばくもない青年貴族との語らいなど、今日を精いっぱい生きる
ジョアンナの姿に、1960年代ののびのびとした空気が反映されている。主演は南アフリカ出身で、この映画の中で黒人と寝たために本国に帰れなくなってしまったというエピソードを残すG・ウェイト。彼女のハツラツとした魅力に加え、青年貴族の
D・サザーランドの怪演も見もの。全編に流れる音楽はR・マッケンが作曲、
ウォーカー・ブラザースの
スコット・ウォーカーが歌っている。
自由気ままな暮らし
ポップでサイケでキュートな青春の冒険
それは、お国は変われど、例えば、リチャード・レスターや、フィリップ・ド・ブロカや、ノーマン・ジュイスンらの作品群を眺めてみれば明らかだ。
マイケル・サーンもまた、監督のみならず、俳優、ミュージシャンとしてこの時代に活躍したひとり。中でも、今作は、彼の才気が煥発した映画だ。
ジョヌヴィエーヴ・ウェイトと言うこの1作でタイトル・ロールを演ずる為のみに生まれてきたかのような人工的で超現実的な美貌の女優さんを、とにかく躍動的に魅力たっぷりに舐めまわす如く記録してみせた今作は、他のレビュアー氏の解説通り、いかにも、60年代のロンドンのファッションとアートを切り取った作品。
♪君の笑顔はシネマスコープのようだよ、と歌ったロッド・マッケンの数々のキュートな音楽と、ラストのロンドン駅構内での、出演者全員による祝福のダンス・パフォーマンスに、観る側も幸福な気分になれる事請負だ。