米軍基地に隣接し、アメリカの香りがまだ色濃く残る街・東京―福生。ただ毎日を平凡に過ごしている志郎(柳楽優弥)は、高校を卒業した後も「大学に行く必要が無い」と言う理由と、アメリカかぶれのグランマ(夏木マリ)の後押しで、今はとりあえずガソリンスタンドで働いている。仕事にもようやく慣れた頃、志郎が働くガソリンスタンドに新しいバイトとして乃里子(沢尻エリカ)が入ってきたことで、志郎はかつて感じたことのない感情を抱くようになる。「これが恋・・・ ?」ある日、元彼・矢野(高岡蒼甫)とちゃんとケリを付けたいという乃里子に頼まれ、矢野の所へ一緒に行くことになった。それがきっかけで二人はお互いに自分の気持ちに素直になり魅かれあう。志郎は生まれて初めて他人が自分の全てとなった。そして、優しくすることだけが愛だと思っていた。 クリスマスが近づいてきた頃、乃里子からある提案をされる・・・。「19になったら、一緒に暮らそう?」そんな幸せの中、矢野が乃里子の前に現れた。「お前は俺じゃなきゃだめなんだ」、そう言う矢野に抵抗しながらも、乃里子は隠していた自分の気持ちに気付き始めるのだった。「新しい恋」と「忘れたはずの恋」のはざまで揺れ動く乃里子。そんな乃里子の微妙な変化に気付き始めた志郎は、ただ、彼女を信じて待つことしか出来なかった―「本当の恋」の意味がわかるまで―
高校卒業後、福生のガソリンスタンドで働く志郎は新しいバイトの乃里子のことが気になって仕方がない。乃里子は恋人の矢野と別れたばかり。元彼にはない、純粋でやさしい志郎のことが次第に気になり始め、ふたりは付き合うようになる。しかし、志郎と乃里子と一緒のところを見た矢野の心に乃里子への思いが再熱し…。 『誰も知らない』でカンヌ映画祭主演男優賞を受賞した柳楽優弥と『パッチギ!』の沢尻エリカ主演のラブスートーリー。初めて女の子と付き合った志郎の、思いが加速していく感じ、彼女のちょっとした言葉や行動に揺れる心など、乃里子に熱くなっていく主人公の心情が、柳楽くんの純粋で汚れのない演技にぴったりはまり、これぞまさに初恋という世界をつくり出している。いつまでも少年のような青年と、一足早く大人になっていく女の子。そんな男女の成長の微妙な差が、志郎と乃里子の関係に現れているのも興味深い。すべてにおいて志郎より大人だった乃里子を沢尻エリカも好演。主役ふたりの輝きが、本作をチャーミングなラブストーリーに仕上げている。
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