市川拓司の原作を、数々のヒットTVドラマを手掛けてきた新城毅彦監督が玉木宏、宮崎あおい共演で映画化したラブストーリー。人と接するのが苦手な誠人と幼い容姿の個性的な女の子・静流。趣味の写真を通してふたりは心を通わせていくが…。
『いま、会いにゆきます』原作者で知られる市川拓司が、広末涼子主演の『恋愛寫眞Collage of Our Life』に触発されて書いた、もうひとつの物語を映画化。主人公ふたりの役名や、写真がつなぐ関係、NYで発覚する真実など、ポイントとなる要素は広末版と同じだが、全体にロマンチックな度合いが高まっている。大学で知り合った誠人と静流は、それぞれが抱えるコンプレックスに惹かれ合うかのように仲良くなる。誠人の趣味であるカメラにも興味を示す静流。やがて、別れ別れになったふたりの運命は、NYでひとつになるのだが…。 前半から織り込まれる6年後のNYの風景、ふたりだけの秘密の森と、映像の雰囲気がいい。玉木宏と宮崎あおいのコンビは役柄のわりに美男美女過ぎるけれど、ふたりのまっすぐな演技に好は感が持てる。大学での友情関係など、ややテレビドラマ風なのも気になるが、クライマックスに向ける流れが鮮やか。1枚の写真が、これほどまでに言い知れない感動を残すことを知らされ、しばし言葉を失う。愛する人が今ここにいなくても、心のなかで一緒にいる――。そんな安らぎと幸福感に包まれたラストシーンが、静かな余韻を残すのだ。
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