松山千春のベストセラー自伝小説「足寄より」から生まれた、大東俊介主演で贈る友情と深い絆の物語。 2006年でデビュー30周年を迎えた松山千春が、23歳時に自ら書き下ろした自伝『足寄より』(扶桑社刊)をベースに映像化。当時、人気絶頂にあった一人の若きシンガーが、自分の言葉で赤裸々な思いを綴ったこの著書は、大きな話題を巻き起こす。そこには複雑な家庭事情、貧しくも愛情いっぱいに彼を育てあげた父への想い、音楽への目覚め、そして恩師・竹田との出会いとあまりに突然の別れなど彼の23年が凝縮した“正直”な内容が描かれ、ファンのみならず多くの人々の心を揺り動かした。 主人公・千春を演じるのは、ドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」(07)や、映画『クローズZERO』(07)、『リアル鬼ごっこ』(08)などで注目される若手俳優=大東俊介。千春の才能にいち早く目をつけ、周囲の反対を押し切って彼をデビューさせたSTVのラジオディレクター=竹田健二に萩原聖人。そして、千春の人生に大きな影響を与え続けた父親=松山明に泉谷しげる。他、若手からベテランまで、多彩な顔ぶれが揃った。
“昭和50年全国フォーク音楽祭・北海道大会”。札幌で開催されたこの大会に、一人遅れてパトカーで到着した若者の姿があった。真っ赤なニッカポッカ姿に大きなサングラス、片手にギター1本持ったこの奇抜なスタイルの男こそ、当時19歳だった松山千春。大勢の客達は明らかに場違いな彼の姿に爆笑するが、そんな会場に「お前らうっせえぞ! 笑ってないで歌を聴け!」と鋭く一喝する千春。そして歌い始めた彼の曲『旅立ち』―。その透き通るようなハイトーンボイスと、切ない別れを歌った歌詞の世界に、さっきまで野次を飛ばしていた観客たちは圧倒され聞き惚れる。結局、生意気な態度が災いしてあえなく落選してしまう千春だったが、審査員として彼の歌を聴いていたSTVラジオディレクター=竹田健二は彼の才能にいち早く気付く。早々に会場を後にしようとする千春に「いつかチャンスが来るから、その時までに作れるだけ曲を作っておけ!」と告げる竹田。これが2人の運命の出会いだった。
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