裏稼業で知り合った日本と韓国の二人の青年が、孤独や絶望の中で人間の温もりを知り、静かにきずなを深め合う過程を描く人間ドラマ。『ジョゼと虎と魚たち』をはじめ繊細(せんさい)なストーリーを編み出す渡辺あやが脚本を担当し、韓国の新鋭・キム・ヨンナムがメガホンを取る。キャストには家族への複雑な感情を抱える青年に妻夫木聡、孤独だが純粋な運び屋に『チェイサー』のハ・ジョンウがふんする。美しく切ないタッチでつづられた若者たちの心の軌跡を前に、深い余韻が胸に迫る。
予告編
ワーナー・マイカル・シネマズ劇場案内
ストーリー
ヒョング(ハ・ジョンウ)の仕事は、ボートで韓国-日本の間を荷物運搬すること。日本で彼を迎える亨(妻夫木聡)の妹、奈美(徳永えり)は荷主ボギョン(イ・デヨン)の息子の嫁。あるとき、ヒョングは運んでいた荷物が麻薬だったことを知る。次の荷物は、韓国人少女チス(チャ・スヨン)。彼女の父は、ボギョンの手先として会社の金を横領したが、2億円を持って姿を消していた。父を見つけたら5000万円ずつ払うと言うチス。亨は、ヒョングとチスが逃げたとボギョンに嘘を告げる一方で、ヒョングにはチスの父親を見つけて金を貰おうと持ちかける。理由を尋ねるヒョングを、家族に会わせる亨。漁村で暮らす家族は、認知症の祖母と奈美の3人の子どもたち。そのうち、一番小さい赤ちゃんは重病だった。チスの父親が糖尿病患者だと知り、インシュリンの闇販売に目をつける2人。捜索の途中、家族が重荷で、鬱屈した思いを抱えていることを告白する亨。一方、ヒョングには幼い頃、親に捨てられた過去があった。お互いの過去を知り、2人の心は接近していく。やがて、ボギョンの追っ手が迫り、逃げ出す一行。落ち着いた先では、祖母が行方不明に。事の成り行きに苛立った亨は、発散するようにカラオケ大会で熱唱。それを見たヒョングは、ステージに上がって一緒にマイクを握るのだった。インシュリン配達の情報を得た2人は配達先に向かうが、届け先は人違い。そして、ヒョングにはボギョンから電話が。亨が保険会社から金を受け取っていること、そして、ヒョングの母が生きていて、殺されたくなかったらチスを連れてこいと告げるボギョン。殴り合う2人。そこへ、“父を見つけた”とチスが走ってくる。亨は、自分がチスを殺したことにしてボギョンのもとへ連れて行く代わりに、金を家族に届けろ、とヒョングに告げる。車でボギョンのもとへ向かう2人。だがその途中、ボギョンは亨を放り出して走り去る……。
スタッフ
- 監督: キム・ヨンナム
- 脚本: 渡辺あや
- 音楽: 砂原良徳
- 主題歌: iLL
- プロデューサー: 久保田修 / イ・ジュンホ
- エグゼクティブプロデューサー: 樫野孝人 / ミン・ジョンファン
- 共同プロデューサー: ション・シン / 田中美幸
- 監督補: 池上純哉
- 撮影: 蔦井孝洋
- 美術: 磯田典宏
- 照明: 疋田ヨシタケ
- 録音: ソン・ジンヒョク
- サウンドスーパーバイザー: イ・スンチョル / イ・ソンジン
- 編集: キム・ヒョンジュ
- 助監督: 権野元
キャスト
- 妻夫木聡
- ハ・ジョンウ
- チャ・スヨン
- 徳永えり
- キム・ブソン
- チョン・インギ
- 柄本佑
- あがた森魚
- イ・デヨン
- 貫地谷しほり
- 他
関連リンク
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