鬼才・黒沢清監督が、香川照之や小泉今日子ほか共演で手掛けた家族ドラマ。リストラされた父、ドーナツを作っても食べてもらえない母、米軍に入隊する兄、こっそりピアノを習う弟。ちぐはぐな4人家族が、紆余曲折を経て一筋の光明を見出すまでを紡ぐ。
ボクんち、不協和音。
お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、そしてボクも――みんなナイショの秘密をもっている。
舞台はトウキョウ。
線路沿いの小さなマイホームで暮らす四人家族のものがたり。
リストラされたことを家族に言えないお父さん。
ドーナツを作っても食べてもらえないお母さん。
アメリカ軍に入隊するお兄ちゃん。
こっそりピアノを習っている小学六年生のボク。
何もおかしいものなんてなかったはずなのに、気づいたら家族みんながバラバラになっていた。
いったい、ボクの家で何が起こっているのだろう?
健康機器メーカー、総務課長として働く佐々木竜平は、人事部に呼び出され、リストラを宣告される。突然の出来事に、呆然としたまま帰宅するが妻、恵にリストラされたことを言い出せなかった。夕食時、小学校6年生で次男の健二はピアノを習いたいと言い出すが、竜平は反対。翌日から、会社に行くフリをして、毎日ハローワークへ通っていた。ある日、大学生の長男・貴が、世界平和のためにアメリカの軍隊に入りたいと言い出す…。
2008年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞作品。どこか満たされないところがあるものの、ごく普通の家族が父親のリストラをきっかけに崩れ始める奇妙なコメディ・ドラマ。借り物の価値観に流されて生きてきた男が、会社からオミットされた時、自分に何もないことに気がつく。主演は、『
ゆれる』、『鬼がきた!』の
香川照之と、近年、女優としての活動が目覚しい
小泉今日子。特に本作には並々ならぬ意欲を感じられる。鬱積したものを感じながらも、いびつに崩れかけた家族を大きな愛情で包む母親を演じられたのは、女性としての深みがあったからこそ。もうキョンキョンとは呼べないかも。監督は、『
アカルイミライ』の
黒沢清。
東京に暮らす、ごく普通の家族がたどる崩壊から再生までの道のりを、家族のきずなをテーマに見つめ直した人間ドラマ。『
回路』などで知られる
黒沢清監督が、累積したうそや疑心暗鬼などにより、ありふれた家庭を壊していくさまを現代社会を映す鏡として描く。リストラを家族に言えない主人公を
香川照之が好演するほか、
小泉今日子、
役所広司ら実力派が脇を固める。日本が直面している社会問題を、独特の緊迫感でサスペンスフルに描く黒沢の演出に注目。
仕事に没頭する毎日を送っている平凡なサラリーマンの佐々木竜平(香川照之)は、ある日突然、長年勤め上げた会社からリストラを宣告されてしまう。一方、世の中に対して懐疑的な心を持っている長男・貴(小柳友)は家族から距離を置くようになり、一家のまとめ役だったはずの妻・恵(
小泉今日子)にも異変が起き始めていた。
2008年の第61回カンヌ映画祭では、「ある視点」部門審査員賞を受賞した。日本では同年9月27日に公開された。 脚本の
マックス・マニックスは『
レイン・フォール/雨の牙』(2009年)で知られるオーストラリアの映画監督であり、おなじく田中幸子は、東京藝術大学大学院映像研究科での黒沢の教え子で、2007年に『夏の旅』で第33回「城戸賞」を受賞した日本の脚本家である。 共同製作のEntertainment Farmは日本の映画会社、共同製作のフォルティッシモ・フィルムズはオランダの映画会社、共同製作・配給のピックスは、エイベックス傘下の日本の映画会社である。
キャスト
スタッフ
- 監督: 黒沢清
- 脚本: マックス・マニックス / 黒沢清 / 田中幸子
- 製作総指揮: 小谷靖 / マイケル・J・ワーナー
- 製作: 木藤幸江 / バウター・バレンドレクト
- 撮影: 芦澤明子 (J.S.C.)
- 照明: 市川徳充
- 音楽: 橋本和昌
- 美術: 丸尾知行 / 松本知恵
- VFXスーパーバイザー: 浅野秀二
- 配給: ピックス
受賞
- 第61回カンヌ国際映画祭、「ある視点」部門審査員賞
- 第10回アジア・アラブ映画祭、大賞
- 第44回シカゴ国際映画祭、審査員大賞
- 第23回マール・デル・プラタ国際映画祭、監督賞
- 第9回アジアティカ映画祭、最優秀アジア賞
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香川照之
香川 照之(かがわ てるゆき、1965年12月7日 - )は、東京都出身の日本の俳優。血液型はAB型。暁星高等学校、東京大学文学部第4類社会心理学専修卒業。所属事務所はコムスシフト。
家族
- 父:三代目市川猿之助(歌舞伎俳優)
- 母:浜木綿子(女優・宝塚歌劇団の元雪組トップ娘役)
- 従兄弟:二代目市川亀治郎(歌舞伎役者)。
来歴
両親は1968年に離婚。実母の浜木綿子が香川を引き取り女優活動を継続しながら育てた。大学卒業後の1989年、NHK大河ドラマ『
春日局』で俳優デビュー。小早川秀秋を破滅的に演じ、話題を集めた。
デビュー当初は『
静かなるドン』などのVシネマや
橋田壽賀子脚本によるテレビドラマが活動の中心であり、業界における認識も「市川猿之助と浜木綿子との息子」といった程度であったが、『
犬、走る DOG RACE』、『独立少年合唱団』、2002年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『
鬼が来た! 』での好演に伴い、徐々に知名度が高まった。さらに、NHK大河ドラマ『利家とまつ』で豊臣秀吉を演じたことで一般的にもその存在が広く知られるようになった。
2004年、再び中国映画『暖~ヌアン~(日本公開名『故郷(ふるさと)の香り』)』に準主演。同作で香川は東京国際映画祭の男優賞を受賞。主演女優賞の
寺島しのぶと共に映画界の話題をさらう。私生活でも長男が誕生。この年の上半期の連続テレビ小説『天花』に出演。
人物
映画に関しての知識が豊富で、『キネマ旬報』に連載コラム「日本魅録」を持っている。このコラムが好評で、2006年のキネマ旬報読者賞を受賞。同年、スタジオジブリ映画『ゲド戦記』で声優に挑戦、アクの強い演技で非声優ながら優れた演技を見せた。
熱狂的なボクシングファンである。俳優として名前が売れる以前から、『
ボクシングマガジン』(ベースボール・マガジン社)で連載「香川照之の熱病的思考法」を執筆していた。当時の記事によると、少年時代から国内はもちろん海外の試合のビデオや専門誌を通信販売で購入して研究するほどのマニアだったという。ボクシング番組『WOWOWエキサイトマッチ』に出演した際、その豊富な知識に、解説のマッチメイカー・評論家のジョー小泉や元世界王者の浜田剛史すら、番組内で舌を巻くほどだった。
謙虚で素朴・礼儀正しい俳優である。
NHKスペシャルドラマ『
坂の上の雲』の正岡子規役を演じるため、食事制限やランニングなどをして5か月で15キロ以上の減量を行った。
出演作品
映画
小泉 今日子
小泉 今日子(こいずみ きょうこ、1966年2月4日 - )は日本の女性歌手、女優。所属事務所はバーニングプロダクション。血液型O型。愛称:キョンキョン、キョンツー、キョンちゃん。
経歴
- 神奈川県厚木市出身。厚木市立三田小学校卒業、厚木市立睦合中学校卒業、神奈川県立津久井高等学校中退。→明治大学付属中野高等学校編入・中退。
- 1981年1〜3月、日本テレビのオーディション番組「スター誕生!」に出場、石野真子の「彼が初恋」を歌って合格。
- 1982年3月21日に「私の16才」でアイドル歌手としてデビュー。
- 1985年発売の「なんてったってアイドル」は、それ以前のアイドルでは無かったことであるが、自らアイドルと称していることで話題になった。KYON2(キョンキョン)と読むの愛称で知られる。
- 1989年、自身のアルバム『KOIZUMI IN THE HOUSE』で、当時まだあまりメジャー扱いされていなかったハウスミュージックを取り入れたことで話題を呼ぶ。
- WOWOWドラマWで放送された『センセイの鞄』により2003年度文化庁芸術選奨・新人賞を女優として受賞した。
- 1995年2月22日、俳優・永瀬正敏と結婚したが、2004年2月22日に離婚。2006年公開の映画『さくらん』が離婚後の初共演となった。
- 2005年7月よりテレビ朝日系列で放送されているテレビアニメ『あたしンち』のオープニングテーマ曲が「あたしンちの唄」に変更された。当初のクレジットタイトルには歌手名に「あたし仮面(仮)」と記され正体が隠されていたが、同年8月27日の同番組の放送で正体が小泉と発表された。
エピソード
- 小学校時代は夜尿症と夢遊症だった。
- デビュー2年目、所属事務所の方針に嫌気が差し、突然、無断で髪を刈り上げに。また自身を「小泉」と苗字で称したことから、「キョンキョン」というニックネームと並行して、初めて苗字で呼ばれるアイドルの先駆者となった。
- デビューよりバーニングプロダクション所属だが、グループ事務所を含め他事務所からの移籍が多い同社のタレントでは珍しい生え抜きタレント。
- アンアンに連載していたショートエッセイ『パンダのアンアン』中での自己申告によると身長は154cmと小柄な体格で、アイドル時代は常にハイヒールを履かされており、転ばないようにいつも前のめりに踏ん張っていたのでふくらはぎに立派な筋肉がついてしまった、と同エッセイにて告白している。
- アイドル時代における衣装の奇抜さも有名であり、中には自らがデザインをして製作した衣装や、スタイリストをつけず独自の判断で衣装を選ぶことも多い。ファッションのことについて厳しい視点を持っていた芳村真理も「自分をちゃんと主張しているから素晴らしい」と彼女のファッションセンスにお墨付きを与えたほど(小泉とは盟友に当たる同期の中森明菜も芳村から同様のお墨付きを与えられた)で、芳村司会の『夜のヒットスタジオ』出演時には他の歌番組とは異なる特注の奇抜な衣装を身に着けて歌を披露することが多かった。
- 藤井フミヤと交際中にはフミヤと全く同じカーリーヘアにするなど、かなり恋愛にのめりこみやすい一面が垣間見られた。この交際が報道された後は、外に出るときはカバンの中に隠れて会いに行っていたとラジオで発言している。さらにその直後にフミヤの実弟藤井尚之と交際するなど、奔放なことでも知られる。
- 観月ありさと仲がよく、観月の目標としている女優は小泉今日子である。
- それまでのアイドルは、そのイメージを保つ事が鉄則だったが、小泉は「なんてったってアイドル」で、アイドルである事を楽しむ、あるいは遊ぶ、新時代のアイドルの形を創り出した。『ザ・ベストテン』で小泉が愛読書として紹介した吉本ばななが、一夜にしてベストセラー作家になった。
- 全盛期に写真集において、全裸で魚拓ならぬ人拓を披露したこともあったが、永瀬正敏との結婚の際には入浴中の半裸写真などを含むプライベート写真展を開催。ケチャップで2人の名前が書かれたオムライスの写真が話題を呼んだが、これはスタッフがパーティで用意したもの。
- 1980年代後半から1990年代前半にかけて、“小泉をCMで起用した商品は売れる”という事例が多く見られた。雑誌の記事などでは「売上10%増」とも書かれていたが、実際に、当時の小泉今日子をCMで起用した商品は、起用する前と後では売り上げに大きく差が出たと言われ、一説には「初代CM女王」とも。
- 女性歌手の中では松田聖子、浜崎あゆみらを抑えてオリコンベスト10入りの曲数では歴代一位(「春風の誘惑」から「月ひとしずく」まで33作)であり、いかに人気が長期間継続したかが伺われる。
- 学生時代はヤンチャしていたといい、著書で修学旅行先で他校生徒とトラブルになった云々の記述があるほか、テレビ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』では石橋貴明から「厚木のすれっからし」とからかわれていた。
- 喫煙者であり、TBSテレビで2003年10月8日に放送された『ディスカバ!99』では小泉が爽やかにタバコを吸う映像が放送された。その喫煙ポーズの美しさは巷で評判となったが、一方で、映画・ドラマでの役柄以外での場で女優・歌手がタバコを吸いながらインタビューなどを受けることは、イメージ戦略上の問題もあると同時にかなり稀なことであるため、悪影響を心配した一部の視聴者からは批判もあった。
- 2005年1月に読売新聞の読書委員に就任し、日曜読書面で書評を執筆。豊かな文才を発揮している(人物紹介、書評一覧)。
- 顎関節症を持病に持つと自身のホームページで言っている。
- 『空中庭園』以来3年ぶりの映画単独主演作『グーグーだって猫である』に出演した動機は、小泉自身が原作者の大島弓子のファンであることによるものである。
- 2005年1月26日、東京都目黒区の路上で小泉運転の乗用車が原付と接触事故が起こした。その際、小泉は警察に事故を申告せずそのまま事故現場から立ち去ったとして、道路交通法違反(ひき逃げ)で事情聴取を受けた。
主な出演映画
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