コクリコ坂から
監督:
宮崎吾朗
原作:
高橋千鶴/
佐山哲郎
声の出演:
長澤まさみ/
岡田准一/
竹下景子/
石田ゆり子/
風吹ジュン/
内藤剛志/
風間俊介/
大森南朋/
香川照之
内容:
宮崎駿が企画・脚本:
宮崎吾朗が『
ゲド戦記』以来5年ぶりにメガホンを取る『
コクリコ坂から』。原作は少女漫画雑誌『
なかよし』に連載された同名コミック(作画:
高橋千鶴、原作:
佐山哲郎)で、
オリンピックの開催を目前に控えた
1963年の
横浜『
港の見える丘』を舞台に、16歳の少女・海と17歳の少年・俊の出会いと交流、高
度経済成長期という時代に真っすぐ生きる2人の姿を描く物語だ。
主
題歌:
さよならの夏~コクリコ坂から~
サウンドトラック:
コクリコ坂から
スタジオジブリ・プロデュース:
コクリコ坂から歌集
コクリコ坂から イメージアルバム:
ピアノスケッチ集
原作:
コクリコ坂から
解説
スタジオジブリの最新作は、
1980年に漫画『
なかよし』に掲載された同名作品を映像化。
1963年の
横浜を舞台にした高校生の青春物語で。監督は『
ゲド戦記』以来5年ぶりにメガホンをとる
宮崎吾朗。企画者の
宮崎駿は制作に際し、「異性への憧れと尊敬を失ってはならない」とコメント。純愛やヒロインが出生の秘密に直面する姿を描く青春ストーリー
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ストーリー
東京オリンピックが始まる1年前の
1963年、
港の見える丘を舞台に、女子高生の初恋物語を描く。(作品資料より)
作品紹介
『コクリコ坂から』について
【公開日】 2011年7月16日
【製作年】 2011年
【製作国】
日本
【配給】
東宝
【監督】
宮崎吾朗
【製作】
鈴木敏夫
【原作】
高橋千鶴/
佐山哲郎
【脚本】
宮崎駿/
丹羽圭子
【イメージアルバム】
コクリコ坂から~ピアノスケッチ集~/
武部聡志
【音楽】
武部聡志
【主題歌】
さよならの夏~コクリコ坂から~/
手嶌 葵
【公式サイト】
コクリコ坂から
【出演(
声の出演)】
長澤まさみ/
岡田准一/
竹下景子/
石田ゆり子/
風吹ジュン/
内藤剛志/
風間俊介/
大森南朋/
香川照之
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時代背景がテーマ
本作は、脚本が宮崎駿監督なので、そう感じるのでしょうか。
また、かなり難しい時代背景がテーマにあるので、子供向けじゃなく大人の人向けの映画だと思います。
背景画も含め、今風ではなく昭和を感じるゆるいテイストなので、今時のアニメに慣れた若い世代の方々の評価も気になるところです。
作風は、宮崎駿アニメそのものですが、ほんの数分も経てば、宮崎駿監督作品ではないことが明確に分かります。
宮崎駿監督作品は、登場する小道具などのディテールやギミックが非常に精巧に計算され、そういう細かいところをしっかり作り込むから、
主人公が有り得ないような動きをしても、自然で有り得るように見えるんですよね。
しかし、本作では、目玉焼きを作るシーンがあるのですが、どうみても1,2個しか焼けないフライパンで、何個も焼いています。
まるでウズラの卵状態。宮崎駿監督作品なら世に出ることのない映像でしょう。
また、原作があるのに、なぜ時代設定を昭和30年代にしたのか?を考えると、この映画は、観方によってA面とB面がある映画に思えます。
A面は、無論、海と俊の学園ラブストーリーで、B面は、戦後の動乱期を生き抜いてきたジブリを作りし者からジブリを継ぎし者に対する
課題映画のように思います。宮崎駿監督が、脚本という上の句を書いて、それを吾朗監督が、解釈して下の句を作る。そんな感じでしょうか。
段違いに良かった
どうしても同監督の、前作「ゲド戦記」のイメージがあり、
見るまで本当に心配でした。
そもそも、ゲド戦記のダメな部分の一部は、
劇場版でしか見ることが出来ません。DVDやテレビ放送で修正が入っています。
なので、ほとんど今は見る事は出来ませんが、
それでも、あの映画館での落胆は、
忘れる事が出来ませんでした。
しかし、今回の作品は、
ゲド戦記と比べると、
段違いに良かったです。
途中を説明する部分も丁寧で、
背景の描画もキレイなので好印象。
確かに時代背景の説明が足りない気もしましたが、
「何かそういう文化があるのだろう」という意味では、
許容の範囲内でした。
この時代を知らない人にも、
何となくなら分かる感じです。
したがって、開始して30分たって、
前作の忌まわしい記憶は無くなり、
「普通のジブリ」の1作品として見る事が出来ました。
また、声優も、
問題が無く聴けました。
心配だった長澤まさみは、
上手に演じていると感じましたし、
脇役のキャストも、
キャラに個性が出ていて良かったです。
しかし1点だけ。
後半のまとめ方が残念。
詳細は言いませんが、
錯綜した情報から、
1つの答えを探した時、
その説明がアッサリと描かれていて、
重みが伝わりませんでした。
とにかく、
急ぎ過ぎですなんです。
自分は、書籍で脚本版も読みましたが、
その脚本でも感じた不満がそのまま絵になっていたので、
本当に勿体無いと思いました。
これはハウルやポニョ、アリエッティにも感じた事だし、
昔のジブリが好きな方で無ければ、
気にならないことかもしれませんが、
とても違和感を感じました。
なので、歴代のジブリの中で、
ナウシカ、ラピュタ、もののけ姫などが好きな自分としては、
やはり、これは惜しいと言わざるを得ません。
エンドロールに登場するキーアイテムも、
物語の途中では、その完成品を見せているのに、
エンドロールでの再登場で、新たな追加や進展がないため、
演出としては、とても勿体無い使い方だと思いました。
したがって、結果としては、
途中までは凄く良かったのに、最後の最後で本当に惜しい!
という印象の映画。
コクリコ坂から
実写でもいいじゃんという声もありますが、
この作品はジブリはもちろんアニメの原点回帰をされたように思います。
ファンタジーを排した点については大正解だったと思います。
大体、今の日本のアニメの大半がファンタジーですしね。
そしてみんな同じ顔で、大嫌いです。見ていて嫌悪感を感じます。
吾朗監督が「日本人やめたかった」とコメントしていましたが、
私もまさしく日本人やめたかった一人です。
しかしこの映画は日本のルーツを知る事で、
日本を見直せる機会を作った大きな大義があると思います。
今の日本はなんでもあるから「新しく何かを作ろう」という意欲がわかない。
結果的に生きている意味がわからない。
大半の人がファンタジーに逃げこんでいく。
しかし「コクリコ坂から」の時代は新しいものを作り出そうと
みんなが活き活きしていた時代。。
私もこんな時代に生まれたかった、と素直に思いました。
「どうして生きているのだろう。」
これは「ゲド戦記」にも出てくるテーマですが、
「コクリコ坂から」の映画からは
どんな現実にあってもまさしく「上を向いて歩こう」、
「現実と正面に向き合って生きていこう」という不思議と
「前向きさ」を現代人に与えてくれる作品でした。
吾朗監督の1シーン1シーンを大切にしている点は
良い方向に引き継がれています。
ただ、音楽がちょっと劇場で観ていて「うるさいな」と思ったところも・・。
DVD化すれば恐らく気にならないと思いますが。
あとエンドロールが・・もうちょっと力入れて欲しかった!
文字が読めません・・^^;
あと鑑賞の注意としては、
・・これはどんな映画にも言えることなのですが、
海ちゃんと俊くんの出生を巡る場面で、
人物の名前をしっかり頭に入れておかないと
途中からお話の筋がわからないままラストにいってしまいますのでご注意を!
宮崎駿の功績
まずこの映画は根本的に、素材となった原作とそれを取り上げて脚本化した宮崎駿の功績が大きいのではなかろうか。映画の開始時点で、これほど魅力的な物語が展開されるとは全く予想できず、やはりそのストーリーテリングの巧みさに巨匠・宮崎駿の真価が発揮されていた(原作は古い少女漫画でありこの映画ほどの盛り上がりと感動はないのではないか)。もちろんその優秀な脚本をきちんと人を感動させる絵コンテとして完成させ演出したのは宮崎吾朗であり「首の皮つながって良かった」などと揶揄する声もあるようだが、端的に言って、すげーよゴローさんであった。
映画を観始めて最初にはっとするのが主人公・海を演じた長澤まさみの声。普通に演じろ、だったかな?たしか自然な話し方をするよう監督にかなりきつく怒られて気落ちしていた長澤まさみだったが、ちゃんとその成果は出せていたのではなかろうか。岡田准一との二人の演技でちゃんと感動させられてしまったからね。そして、ガリ版が懐かしかったなぁ。昔さんざん下らない内容を書いては先生に刷ってもらっていたことが本当に恥ずかしい思い出。やっぱり俺みたいのがこういうラブストーリーの主役になれないわけだ、トホホ。
シンプルに良いストーリーであり良い映画であった。ジブリの十八番ボーイミーツガール物語としてもかなりの良作。古き良き昭和日本への郷愁がなんとも言えない味わい深いスパイスになっており、「ALWAYS 三丁目の夕日」などが好きな人は一見の価値はあると思う。路線は明らかに違うが「ポニョ」より好きだと思う大人は多いはず。まぁでも別に何も親子対決をしなけりゃならない理由などどこにもない。ジブリが今後も良いアニメーション作品を作っていけるかどうかということが一番重要な問題のはず。
これは余談であり、あくまでも自分の勝手な言い分。観ていないアリエッティを批判するつもりはないが、「借りぐらしのアリエッティ」はアニメーター歴 14年の米林宏昌が監督をした。「コクリコ坂から」は監督2本目業界6年目の元素人、宮崎吾朗が監督をした。脚本はいずれの作品も宮崎駿と丹羽圭子の共作である。新人監督が作ったジブリ映画としてはほとんど同じような位置づけにある二つの作品として比較対象に相応しい。物語が根本的に違うのだから勝ち負けではなく、宮崎吾朗が本当に唐変木なら対等の評価にさえならないほど経験不足。もし「コクリコ坂から」の方に人気の軍配が上がったとしたら、宮崎吾朗はすでにジブリの看板監督として十分な存在感を示した事になる。なぜなら、ジブリ作品の監督として宮崎駿・高畑勲の次に知名度の高い名前は、悪名か否かに関わらず絶対に間違いなく宮崎吾朗であろうから。
面白かった
内容は1960年代前半の横浜を舞台にした学園騒動もので、とある事情で親とは別居している姉妹の姉のほう海ちゃんを中心に
物語が展開。あらすじを述べていくとNHKの朝ドラの世界と完全にかぶりそう、ただここの主人公は年をとる前に話が終わってしまうけど。
途中悪人が登場するわけでもなく淡々と話は進み(ちょっと眠いかも)ラストは感動ものだが、そこへの展開が急で少々無理やり感あり。
音楽はテーマ曲以外に坂本九の「上を向いて歩こう」がフルで流れたりエレキインスト風の音楽が流れたり映像とマッチしていたと思う。
60年代と言えば高度成長期でこの時代独特の風景や家屋そして台所の道具など丁寧に描かれており大変感心しました。 ストーリーもさることながらこれらの風物がわれわれに「この時代の良いところ」を伝えてくれるしその後の展開(オイルショック、バブル、失われた10年、格差社会等)
いかがなものかと考えさせられた。
映画公開直後に日テレでこの映画のメイキング特番が放送されて見た方も多いと思う。 今回の監督宮崎吾朗さんはあの偉大な「宮崎駿監督」
のご子息でもともとお父さんとは違う分野で仕事をしていたがひょんなことから前作「ゲド戦記」の監督を務め、一作で退くはずが映画の評判に満足できず本格的にアニメ監督に転職することになったという。メイキングでは親子の確執が描かれ映画そのものより面白かったかも。 どうしても
吾朗監督を応援したくなる様に番組が構成されていたような気がする。 巨匠の父は息子の作品の試写会を途中で抜け出し「俺を脅かす存在
になってみろ」とカメラに向かってぼやいていた。